NHKテレビで放映されている番組をもとに企画された展覧会。そのテレビ番組は見たことがなかったが、展覧会は十分、楽しめた。
ちょうどいい、という名の展示。よく見慣れているマグロの寿司。その模型が、いろいろな大きさで作られて、並べて展示されている。現在ある形が、なぜその大きさなのか、大きすぎる、あるいは小さすぎると、どうなるのか。一目瞭然。
寿司、本、お金(紙幣)、そして学校などを、バラバラにして、構成要素を整然と名並べた、解散、という展示。
分かる、とは、分ける、ことだ、という言葉が思う浮かぶ。
しかし、その反面で、一度分けてしまったものは、もとのものとは、違った物に見える。人間が理解する、という思考様式の限界、という側面も感じさせる。
同じ100円で、どれくらいの量が買えるのか。その量の醤油、キャビア、トイレットペーパーなどが、並べられている。
全く違ったものを、1つの尺度で比較するということも、人間の思考形式のひとつ。その有用さと、同時に、その愚かしさにも気づかされる。
真っ白なポスターのようなものが壁に並んでいる。すぐ近くに取り付けらている眼鏡でその白い部分を見ると、肉眼では見えない、写真、映像などが見えるようになる。
人間の感覚の不完全さを、改めて思い知らされる。
会場には、多くの子供連れの来場者がいたが、子供向けの展覧会と思いきや。とんでもない。
展覧会のテーマは、デザインマインド、ということだが、まさにその一端、というよりその最初の一歩、”あ”、が感じられる展覧会だった。
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