2013年7月27日土曜日

浮世絵 第2期:北斎・広重の登場-ツーリズムの発展(三菱一号館美術館)

東京の三菱一号館美術館で開催されている、浮世絵展の第2期は、北斎と広重を中心とした風景画が展示の中心だった。

まず印象に深く残ったのは、広重の肉筆画。武蔵多満川と箱根二子山。浮世絵とは違い、色はあまり使われておらず、墨の黒、茶色などで、ぼかしを使って描かれている。

少し遠くから眺めた方が、その雰囲気をよく味わえる。近寄ってみると、繊細な筆使いで、細部が描かれている。

広重というと、やはり東海道五十三次に代表される風景画のイメージが強い。会場には、他にも雉や雁、梟や獅子などの動物画の浮世絵も展示されていた。全体の構図、細かい描写には、しばらくその前で、思わず足を止めてしまう。

東海道五十三次の絵師とは、一味違った広重が、そこにはいた。

渓斎英泉の美人東海道と、三代目歌川豊国の役者見立 東海道五十三駅というシリーズの浮世絵。いずれも発想は同じ。大ヒットした、広重の東海道五十三次シリーズにあやかって、それぞれが得意とする、美人画と役者絵を組み合わせたというもの。

背景となっている風景画を見ると、広重や北斎の作品をコピーしている風景もあり、思わず笑ってしまう。

最後の部屋は、国芳の作品がまとめて展示されていた。

美人画、役者絵、風景画、世相を皮肉った動物を使った諷刺画など。国芳の多彩な魅力が爆発しており、それまで見てきた、北斎や広重の作品を忘れてしまうほど、強烈な個性を振りまいていた。

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