不思議な名前の展覧会だ。
根津美術館で開催された、この奇妙な名前の企画展は、山口県立萩美術館・浦上記念館の収蔵品を紹介するという企画。
この記念館のコレクションが、やきものと浮世絵が中心であるので、そのような名前になったのだろう。
しかし、会場に足を踏み入れたとたん、そうした奇妙な感じを忘れさせるほど、そのコレクション見事さに、唸ってしまった。
まずは、中国の陶磁器。紀元前3000年代の古代中国から、明代の景徳鎮にいたる、中国のやきものの歴史を概観できる。
紀元前3,300年頃のものと推定できる、底が尖った壷は、まるで、古代ギリシャのアンフォラの壷そっくり。
3世紀の西晋時代、越州窯で作られた大振りの壷。口の周りに、沢山の鳥が装飾されている。日本では、まだ卑弥呼の時代。
鮮やかな唐三彩の数々。唐という空前絶後な世界帝国の華やかさを、今に伝えている。
明代に景徳鎮で焼かれた白磁。珍しく緑色の彩色で、竜が鮮やかに白磁の上を泳いでいる。
続いては、朝鮮の陶器。
数点の高麗青磁。しばらく、その前を離れることができなかった。
翡翠のような緑色の地の上に、繊細な線で描かれた草花や鳥たち。その美しさは、文字通り、奇跡と言っていい。
最後は、浮世絵のコーナー。
奥村政信、鈴木春信、歌麿、写楽、鳥居清長、歌川国政、北斎、広重など、まさに、浮世絵の歴史を辿ることができた。
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