アマチュア写真家でありながら、鳥取砂丘で撮影した、不思議な写真で名高い植田正治の生誕100年を記念した、東京ステーションギャラリーの展覧会。
家族を、自分の思う通りに砂漠に並ばせて撮影した、植田を代表する写真の数々。家族だけでなく、さまざまなパターンの砂漠での写真がある。
撮影された年代を見て驚いた。1945年の写真が多い。戦後間も無くだろうか、それにしても、戦後の混乱期といった、そうした時代の厳しさは、全く感じさせない。
植田というと、モノクロ写真が思い浮かぶが、会場にはカラー写真が多く展示されていて、意外だった。
ところどころ、写真と写真の間に、植田の言葉が紹介されている。
旅行が嫌いで、仕事以外では、ほとんど鳥取の地を離れなかったこと。生涯、アマチュアであることを誇りにし、他の写真家のアイデアを、盗むことを厭わなかったことなど、写真だけではわからない、植田の考えなどがわかり、面白かった。
砂漠で撮影した家族の写真や、砂丘モードの写真は、やはりインパクトがある。
しかし、植田は、その後も、いろいろなタイプの写真にチャレンジしていた。
そのチャレンジの中にこそ、アマチュア写真家としての植田の本質が、現れているように思えた。
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