東京、丸の内にある、三菱一号館美術館でのコレクション展。
パンフレットには、ルノワールやモネなどのメジャーな先品の、鮮やかな絵画の作品が並んでいるが、この展覧では、リトグラフの作品が印象に残った。
ルドンの、『夜』と『夢想』というリトグラフ集。ノワール、といわれる、幻想的なイメージの数々。
人間の首が、気球に乗って飛んでいたり、人間のような表情をした昆虫のような不思議な生き物など、ルドンの独特の世界が展開されている。
この美術館には、グランブーケといわれる、ルドンの巨大な絵画がある。文字通り、巨大な花のブーケの絵だが、この絵は、とても静物画と呼ぶことはできない。
そこに描かれている花が、とてもこの世の花とは思えない。花という生き物が持っている神秘性、オカルト性が、見事に表現されている。
ヴァロットンがパリの街の様子を描いたリトグラフ集『息づく街パリ』。街を行き交う人々の何気無い表情が、ユーモラスな表現で描かれている。文字通り、パリの浮世絵といった趣き。
モーリス・ドニのアムールというリトグラフ集。パステルカラーで、恋人の様々なシーンが、ドニ特有の平面的で、装飾的な絵で描かれる。
ドニが婚約者のマルトをモデルに、自分たちの関係をそのまま描いたような作品。これほど美しい作品には、そうめったには、お目にかかれない。
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