改装された、パリのオルセー美術館に、ガラスのベンチ、Walter Blockが展示されていることで一躍名前がポピュラーになった、吉岡徳仁。
会場の入り口には、クリスタライズ、という展覧会のテーマをイメージした、クリスタルを想像させる、不思議な細いストローのようなものが、うず高く積み重なり、会場を覆っている。
その不思議なオブジェに導かれるように、来場者は、吉岡の世界に引き込まれて行く。
水槽の中で、自然に成長する結晶をそのまま絵画作品とした、白鳥の湖。チャイコフスキーの音楽を聴かせながら、その結晶の絵画は、生み出されて行ったという。
アンリ・マチスのロザリオ礼拝堂に感銘を受けて製作された、虹の教会。吹き抜けの空間に設置され、圧倒的な存在界を誇る。
500個のクリスタルプリズムでできているステンドグラスは、室内に、その瞬間にしか現れない、虹の世界を作り出す。
自然の蜂の巣の構造は、ハニカム構造といわれ、軽くて高い強度を保つ。そこにヒントを得て紙だけで作られた、ハニーポップという椅子。勿論、人が座ることもできる。
吉岡の作品は、結晶、光など、いずれも自然の中にある構造などをヒントにしている。
現代という時代が、失いかけていて、しかも求められているものが、そこに表現されているように思えた。
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