2013年8月3日土曜日

美の響演 関西コレクション(国立国際美術館)

関西に旅行したついでに、大阪の国立国際美術館で開催されていた、美の響演 関西コレクション、という展覧会を訪れた。

大阪、京都、滋賀、和歌山などの美術館が収蔵する、20世紀以降の現代アートの作品を、一同に展示するという、実に贅沢な企画だ。

20世紀以降の芸術といっても、実に多様だ。セザンヌ、ロダン、ピカソ、マチスなどに始まり、エルンスト、デシャンなどのシュールレアリズム、ウォーホル、リキテンシュタインから、現役のアーティストまで。

普段は、あまり目にすることのない、いろいろなアーティストの作品も含めて、多様な作家たちの多様な作品を、まとめて楽しむことができた。

アートの歴史の中でも、これほど劇的に変化した100年は、かつてなかったに違いない。それは、人間の社会自体が、劇的に変化した、ということも意味しているのだろう。

アンフォルメルの作家と言われる、ジャン・フォートリエの”人質の頭部”と”永遠の幸福”という2つの作品。前者の作品は、表現されている物が、何となく、人の頭部と想像できるが、後者は、一見すると、カラスミのようにも見え、その表題とは、どう考えても結びつかない。

ヴォルスの”構成”という作品。灰色の立体感のある背景が、白い細い線で、不均等な4つの空間に分割されている。それぞれの空間に、赤い絵の具が、不規則におかれている。偶然とも、必然とも見える、不思議なコンポジションの絵画だ。

サイ・トゥオンブリーの、”マグダでの10日間の待機”。子供のいたずら書きのような作品。ロラン・バルトは、この画家の、作品の多義的な内容を、高く評価していたという。

会場を後にして、ふと考えた。

はたして、次の100年で、アートはどんな風に変わって行くのだろうか?もしかしたら、これまでの100年ほどは、大きな変化は遂げないのかもしれない。

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