2013年9月7日土曜日

写真のエステ 写真作品のつくりかた(東京都写真美術館)

東京都写真美術館のコレクション展の第2段。

アングル、焦点、光のあつかい、暗室作業、という4つのテーマで、写真家が、どのように作品を作り上げるか、を紹介する展覧会。

対象をどのアングルで撮影するか。森山大道の電線(品川)という作品では、何気ない街中の電線を、下から思いっきり見上げたアングルで撮影し、見たことがないような世界を、作り上げている。

焦点というテーマの中では、田沼武能の浮浪児、浅草にて、という作品が、強烈な印象を残した。1951年に撮影された、その浮浪児の顔は、典型的なモンゴロイドの顔。写真以外の方法で、その表情を表すことはできないだろう。

光のあつかいというコーナーでは、白黒写真とは、ようは光を写したものだ、ということがよくわかる。

福田勝治の光る女体。モデルの女性の顔に光を当てて、体には、そのシルエットだけに光が当たるようにしている。影になっている胸の部分は、写っていない分だけ、逆に存在感が大きくなっている。

最後の暗室作業というコーナーでは、写真は、シャッターを押した時に作られるのではなく、暗室での現像作業で作られる、ということが、数々の名作から、痛感させられる。

アンセル・アダムスのヨセミテ公園を写した作品。自然の雄大さを、これでもかと訴えかけるその作品は、暗室での念密な現像作業から生み出された。

マン・レイの眠るモデル。眠っているモデルが、夢の中で見ている世界を再現たような、不思議な世界を、そのプリントの中に作り上げている。

これから写真を始めようとする人や、フツーの写真から、一歩抜け出したいとおもっているひとには、多くのヒントを与えてくれる、そんな内容の写真展だった。


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