東京オペラシティアートギャラリーで、個人のアートコレクターに焦点を当て、9人の個人コレクターの収蔵品を、9つのスペースに分けて紹介するという、珍しい展覧会が行われた。
まず気になったのは、この展覧会の題名。日本語で、アートがあれば、とあるが、英語では、Why not live for Art?、とちょっとニュアンスが異なる。
サブタイトルも、日本語では、9人の個人コレクターによる個人コレクションの場合、だが英語では、9 collectors reveal their treasures、といった具合。
それぞれの言葉は、翻訳ではないようだ。そのセットで、題名とサブタイトルを表しているのだろう。
各スペースには、展示されている個々の作品とは別に、全体の空間として、明らかに違いが感じられる。その違いが、コレクターが作品を購入する際の基準の違いを表している。
中には、村上隆、奈良美智、荒木経惟、マン・レイといったポピュラーな作家の作品もあるが、それほどメジャーではない、現在も活躍している作家の作品が多い。
個人で購入できるアート作品ということで、限られた予算の中で、自分の趣味に合う作品を見つける、という個人コレクターの行動様式、とでもいうものが感じられる。
通常の展覧会では、個々の作品を味わい、それを作成した作家に思いを馳せる。しかし、この展覧会では、それを描いた作家よりも、それを購入したコレクターの趣味やキャラクターを想像する。
何とも不思議な内容の展覧会だった。
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