2013年9月8日日曜日

幽霊・妖怪画大全集(そごう美術館)

横浜のそごう美術館で、江戸時代の幽霊・妖怪画を展示した、夏らしい展覧会が行われた。

幽霊というと、うら若い女性が、半身で恨めしそうにこちらを睨み、その足は霞のように消えかかっている。

このイメージは、円山応挙が最初に描いたとされるが、実は、完璧に検証されているわけではないようだ。会場には、伝円山応挙ということで、何枚かのそうした絵が展示されていた。

その後には、まるでその伝円山応挙をコピーしたような、同じようなパターンの幽霊画が延々と、これでもかというくらい、並べて展示されていた。

続いては、歌舞伎を描いた浮世絵に描かれた幽霊のコーナー。八百屋お七、お岩、お菊などの、歌舞伎の出し物でお馴染みの面々が、歌川国貞、国芳らの手によって、描かれている。

円山応挙らの絵師の絵の中ではワンパターンだった幽霊たちが、そこでは、実に様々なシチュエーションの中で、水を得た魚のように、生き生きとしている。

演じている役者の顔として描かれているので、その表情も多彩だ。

後半は、百鬼夜行図をその大元とする、様々な妖怪のイメージ。鬼や天狗を始めとしたいろいろな妖怪たち。どうしても、何かの動物をイメージしてしまうのは、仕方ないだろう。

この展覧会では、一度作られたイメージが、一人歩きして、いろいろな画家や絵師の中に生き残っていく過程を、目の当りにすることができた。

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