2013年6月29日土曜日

大谷コレクション展(ニューオータニ美術館)

ニューオータニ美術館で開かれた大谷コレクション展では、現代フランスの画家や、川合玉堂や竹内栖鳳などの幅広い作品を楽しむことができた。

アンドレ・コボタの赤いバラのブーケなどの4つの作品。鮮やかな色の絵の具が、極端なくらいの厚塗りで、キャンバスいっぱいに敷きつめられている。一目見た瞬間に、強烈な印象を心に残す。

惜しくも昨年に亡くなったコボタは、同じような圧塗りの画法のスーチンに大きな影響を受けたという。しかし、その色使いは、スーチンよりは、もっと明るい。

日本の武道にも、親しみを感じており、富士山を描いた作品もあるという。

1927年生まれのクロード・ワイズバッシュ。オークルと黒だけを使って、躍動感のある作品を描いている。肖像という作品は、男性の顔を描いているが、まるで、顔を激しく左右に振っているように、わざとぼかして描いている。

どの技法は、写真のピンボケをそのまま表現したと言われる、ベーコンの肖像画を連想させる。

ブラマンクの、橋のある風景、などの4つの小品が、並べて展示されていた。久し振りに、ブラマンクの作品を見た。

花束という作品では、灰色と暗い青で、花束を描いている。赤や黄色と言った、鮮やかな色を全く使わず、花束を描くあたりが、実にブラマンクらしい。

竹内栖鳳の富嶽(夏)。富士山の姿を、さっと描いた小品で、描かれた時期もわからない。山頂の稜線を、黒い線で、その先のなだらかな山線を、薄いピンクで描いている。

その作品に対するように、反対側に展示されていた、川合玉堂の、松浦漁家、というこちらも小品。栖鳳ほど簡素ではないが、こちらも最低限の線と色で、海沿いの集落を描いている。

丹念に描かれた大作も見応えがあるが、こうした小品も、味わいがあって良い。

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