2013年6月8日土曜日

中村好文展 小屋においでよ!(ギャラリー間)

中村好文氏には大変失礼だが、始めは、この展覧会に行く予定は、全くなかった。

ギャラリー間で行われる展覧会は、だいたい足を運んでいるが、今回は、パスしようと思っていた。

しかし、たまたま、テレビでこの展覧会の会場の様子が放映されているのを見て、俄然、行きたい気持ちが強くなり、ついに、訪れることとなった。

3階の屋内の展示室には、小さな7つに小屋が作られ、その中に、中村が影響を受けた人物についての写真やパネルなどが展示されていた。

鴨長明、ル・コルビジェ、堀江謙一、ソロー、高村光太郎などのことは知っていたが、猪谷千春の父の猪谷六合雄のことや、立原道造が建築家を目指していたことなど、知らないこともあり、楽しめた。

3階の中庭には、この展覧会の為に作られた、一人で暮らせる20㎡ほどの、文字通りの小屋、Hanem Hutが展示されていた。キッチンやトイレも作られており、実際に暮らすこともできそうだ。屋根の上には、太陽光発電機や、風力発電機も取り付けられている。

4階には、その小屋についてのスケッチや、細かい設計図などが展示されていた。

さらに、中村のこれまでの作品の写真や、その建設の過程を記録した写真も展示されていた。楽しそうに小屋を立てている人々の笑顔。それは、小屋、という人間の体にあったサイズの建築だからこそ、なのかもしれない。

安藤忠雄、伊東豊男、隅研吾など、大きな建物を建てる建築家の業績をたどることも楽しいが、中村好文のような、人間の暖かさが感じられる、サイズの違った建物を建てる建築家のこうした展覧会も、それに劣らず十分に楽しめる。

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