2013年6月1日土曜日

国宝 大神社展(東京国立博物館)

厳島神社の古神宝。後白河、高倉、安徳という平家と縁のあった天皇が参拝して奉納した神宝の数々。

わずか7才で、壇ノ浦で入水した安徳天皇がまとったといわれる美しい錦の衣。

そうした品々は、神の宝として展示されているが、それらを作らせたのは、平清盛らの当時の政治を動かしていた人物だろう。紛れもない、この地上の人間の、泥臭い感情が、そうした品々から感じられる。

『古事記』や『日本書紀』の写本。いずれも鎌倉時代以降のもの。

そうした書物が書かれた8世紀のころは、ちょうど異国の言葉、漢字を、自分たちの言葉に当てはめていた最中だった。

江戸時代、17世紀に狩野派の絵師によって描かれた、豊国祭礼図屏風。屏風の左側には、丸くなって踊る民衆の姿が描かれている。その躍動感溢れた表現は、当時の京都の賑わいをよく表している。

室町時代頃に各地の神社に奉納された絵馬の数々。もとは本当に馬を奉納していたが、このころは、すでに絵馬になっていた。

今日の絵馬に比べれば、大きさも大きく、馬の絵も、一枚一枚ちゃんと描かれている。しかし、手綱が地面に打ち込まれた杭につなげられている、という共通の図柄で、すでにパターン化されていたようだ。

会場の最後には、神像が多く展示されていた。仏像の影響で盛んにつくられるようになった神像。しかし、どうしても、仏像と比べると、見劣りがしてしまう。

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